発達障害当事者がスプラトゥーンをプレイして感じた限界と心境。
初めまして。
私は発達障害者(ASDと診断済)ですが、「スプラトゥーン2」をプレイしています。
しかし、数百時間プレイしていて実感したことが
「明らかに空間の把握・認識能力で他のプレイヤーとの大きな差を感じる」
「インクを塗る、動く相手を倒す、自分が動くといったことをうまく同時にできない」
「もしかしてこのゲーム、発達障害者にはものすごく辛いゲームなのでは?」
ということです。
まず「明らかに他のプレイヤーとの差を感じる」ところですが、
「反応速度」や「エイム力」、「マルチタスク」の部分が大きいです。
結論としては、「一定の時間までやったんだし、これはもうどうしようもないんだ」と「諦める」しかなかったです。
「諦めるとか甘えだろこのザコ!もっと練習しろ!」と実力のある方々は言うのかもしれません。
でも「勝手に言っておけ」としか思えないです。
例え「実力が高いほうが偉い」という「ゲーム界独特の風潮」があったとしても私はそう思います。
定型発達者・発達障害者限らず脳の能力・向き不向きは生まれつき個人で違います。
発達障害者でも空間の認識・把握能力が高めの方もいるので全てには当てはまらないことも理解しています。
まず、「定義された立ち回り」はある程度までは(重要)パターンの学習が使えるので伸びます。
ただし「とっさの反応」や「エイム力」等はどう頑張っても個人の限界以上には伸びません。
これが健常者で伸び悩む人にも言えるのですが、
「エイム含めスプラは練習すれば上手くなる!弱いのはお前の努力が足りないからだ!」といった言葉の押し付けは正直間違っているし、
「弱いのは努力が足りないからだ」と全てを決めつけて人に押し付けないでくれ、
もしそれを誰かに言われても自分が努力しているのなら気にしないでくれと伝えたいです。
もちろんプレイして数時間の状態と、プレイしてから数百時間が経過した状態では流石に差はありますし、誰でもそうです。
ですが、私の数百時間は、定型発達者の数百時間と比べると明らかに伸びの限界は低く大きな差を感じる状態です。
正直、もう伸びないと思っているのでこの記事を書きました。
世間では「エイムや反応は訓練で伸びる」とされていますが、
「エイムや反応」は空間の認識・把握能力は脳による記憶・学習(ボムの届く距離・スペシャルの使い時等)といった
訓練で差はあれど、脳に書き込まれやった分だけ知識が増えていく分野ではなく、
個人が生まれつき持った処理能力(反応速度やカーソル合わせの正確さ、オブジェクトや距離の把握)をどこまでゲーム内で引き出せるか、の分野だと思っています。
なので、処理能力を常にゲーム中自分の中での80-100%、数値にして平均300程度出せるようにすることはできても、
その処理能力は他の個人の20%分までしか出せない、数値にして平均1500出せる人にはどうやっても敵わないわけです。
そのため、この空間の認識・処理能力に関連している運動も苦手で、
ボールが取れない、避けれない、床でつまづく、体勢を崩す等といったことが昔からあります。
私もそうですが発達障害者は運動神経が良くない方も多いです。(差はありますが)
「スプラトゥーン」上では非常に痛手だと自負しています。
よくある動きの「インクを塗る」「動く相手を撃つ」「相手の攻撃を避ける」「サブウェポンやスペシャルウェポンを合間に入れる」ということが
並列処理でうまくできません。
いいところ「インクを塗る」と「相手の攻撃を避ける」の二つが限界です。
撃ち合いをするにしても
「インクが塗っていない場所で塗りながら上手く動けない」
「動く相手を撃つのに必死で相手の攻撃を避けれない」
「サブやスペシャルを使うことを忘れて相手に有利なまま倒される」
とどれかが欠けてしまっています。
その結果、実際にプレイしていて+
「横から敵が近づいてきてるけどワンテンポ遅れて撃つのが間に合わない、逃げ遅れる」
「正面から射程が勝っている武器なのに、そこまで相手が動かなくても当たらず撃ち負ける」
「敵を倒そうとして、敵のインクに踏んで倒される」
「サブウェポンで有利に持ち込めたのにそのまま押されて相手に倒される」
「数秒前から見えている置きボムに突っ込んで爆死してしまう」
「距離感覚がわからず足場を飛び越えれなくて水没してしまう」
という事例が頻繁に発生しています。
そのため、私はもう「スプラトゥーン」での「自分の限界」を感じました。
正直悩んだ時期もありました。自分は劣っているんだと。周りみたいに強くなれないんだ、と。
どうしたら普通の人みたいにウデマエS+、カンストになれるんだろうか、と。
でも、ゲームっていくらe-sportsとかいって、競技性を求めてもゲームでしかないのです。
ゲームなので「趣味の一つであって娯楽」なんです。
強さを求めてイライラすることがあっても「娯楽止まり」なんです。
(プロゲーマーの人はそれが仕事なんでここでは考えない)
なので周りからどんなに言われようが、「私はこれだけ頑張ったんだから何も悪く言わないでくれ、娯楽なんだから」と思います。
「普通の人の限界より遥かに低いとはいえ、自分の中では限界までやったんだから」と。
またこれから、同じような事例の方が「スプラトゥーン」をプレイする時や、
「スプラトゥーン」をプレイしていて伸び悩んでいる、という時には私から伝えたいことがあります。
それは「あなたができるところまで努力したなら、他の人に悪く言われる筋合いはない」ということです。
ウデマエの高さ等で、Twitterや掲示板等で自分や他人を比較することも多いゲームですが、
「周りと比べたら20%の力かもしれないけど、あなたの中では100%の力までいけたのならそれだけで素晴らしい、やり切れた」
「例えゲーム内でのウデマエがBやAだとしても、やり切ったと思えるなら自分の中でのウデマエはS+だと思って胸を張っていい」
ということを伝えたいです。
今の数値で表されたわかりやすい強さだけを見て全てを判断する世界は怖いです。
正直、ガチマッチで少しでも失敗したらSS晒しコースな現状はやりすぎですよ?
(こうなるのは、ガチマッチの連帯責任なシステム、
ひび割れというプレッシャーのかかるレート上下システムに問題あると思います)
最後に、どうしても同じ立場で撃ち合いが苦手、でもこのゲームでやっていくにはどうしたいいの?という人のために
自分が今使っている武器や動き方を書いて終わりにしたいと思います。
まず、撃ち合いが苦手ならランク1から使える「わかばシューター」を最初に使いましょう。
わかばシューターは基本自分で突撃しながら敵を倒す武器ではないので、
最初から使えて一番味方と動きやすい武器だと思います。
ギアパワーは「スペシャル増加アップ」「スペシャル減少ダウン」「サブインク効率」あたりで揃えるのがおすすめです。メインギアパワーだけで構いません。
動きとしてはひたすら後ろの塗り残しや味方のそばの敵インクを塗り、
サブの「スプラッシュボム」を敵がいる高台や、味方が交戦している場所に投げ込みながら、
スペシャルをためて「インクアーマー」を使います。これだけで味方に貢献できます。
敵インクを塗るときですが、時々インクに敵が潜伏していることがあるので(ローラーに多い)、
倒されないために味方と行動する、インクにボムを投げることを覚えるといいでしょう。
後は敵が見えたら早めに逃げましょう。無理にキルすることより、自分がデスすることのほうが負担が重くなります。
追い回されたら味方の場所まで逃げましょう。強い人が倒してくれます。
動きがつかめてきたら、無防備の相手(気づいていないチャージャーや味方を追い回しているシューター)を撃ってキルできるとさらに貢献できます。
後は「プロモデラーMG」あたりが塗りに特化していておすすめです。
例え0キルだとしても、塗り1000ポイントを超えることもあるので
撃ち合いが苦手でもナワバリでやっていけると実感できます。
そして経験談ですが、ランク10になったら「ナワバリバトル」ではなく「ガチマッチ」に踏み込むのがいいと思います。
今の「ナワバリバトル」はランク50でウデマエA、S+の人と当たるのも普通で、リスキルに追い込まれることも少なくありません。
それよりかは、かえって「ガチマッチ」のC帯のほうがランクが近い相手と戦えて、立ち回り等の練習になります。C帯なら降格しても痛手になりませんし。
同じように悩んでいるプレイヤーに届いてほしいと思って書きました。
お読みいただきありがとうございました。